風を感じて・・・

映画「千年の祈り」

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妻に先立たれ、北京で一人引退生活を楽しむシー(ヘンリー・オー)。夫と別れ、アメリカで一人暮らしを送る娘のイーラン(フェイ・ユー)。娘の行く末を心配したシーは、アメリカを訪れ、親子は12年ぶりの再会を果たす。毎晩、自慢の料理をこしらえて、仕事で遅い娘を待つ父。だが、食卓に流れるのは沈黙ばかり。シーはやがて近隣に住む、ほとんど言葉の通じないイラン人のマダムと心を通わせていく。そしてある日、娘に積年の思いをぶつけられた父が、人生の最後に打ち明けた“本当のこと”とは──?

12年ぶりに一人暮らしの娘の所にやってきて、いろいろと介入してくる父シー。
自由の国アメリカで暮らす娘イーランにとっては鬱陶しくてならない。
父がせっかく山盛りの食事を作って二人で食べても会話はないし、あまり料理に手をつけない娘。
なんだか殺伐とした父娘の関係にどちらの気持ちもわかるような・・。
自分のことを考えてもこんな感じかなぁ、と。
もちろんうちの父親はシーとは違って父親の方が無口で、小さい頃からあまり直接話をしなかったかも。未だに、たまに実家へ帰っても二人きりだと何を話していいのかわからない。
もちろん、とても仲のいい父娘もたくさんいるだろうが、こういう父と娘って結構いるのではないだろうか。

父と娘の価値観の違い。
娘は母国語が苦手で、英語だと自分を素直に表現できるという。
だが、父親の価値観が変わることなどあるはずもなく、結局は自分の価値観を押し付けてしまう。
それゆえに、娘はその価値観を素直に受け入れる訳もなく、父親を避けるようになり、そのうち家に居ようとしなくなる。
ただそれは、価値観の問題だけではなく、娘の積年の思いがそこにあった。
一番わかり合えるはずの母国語での会話ができる父娘の心が通じ合わず、それぞれ米国の友だちやロシア人の恋人、また、公園で合うイラン人のマダムと心が通じ合っているのが皮肉である。

この映画は饒舌ではない。ただ淡々とした日常を切り取って物語が進んでいく。でも、そんな静謐な中で、父と娘の表情や会話と会話の合間、それこそ行間にこそそれぞれの思いが綴られている。
最後に今までの気持ちを吐露した娘と、それに対しての父の言葉。ようやく向き合った父と娘。それで溝が全部埋まった訳ではないけれど、確かに少しはお互いに歩みよることができたのだと、ラストのイーランの表情が語っていた。

多くは語らないけれど、静謐で秀逸な作品です。
by crescent28 | 2009-12-03 22:00 | 映画・DVD
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真帆片帆、どんな状況でも風をしっかりと感じて、毎日を前向きに生きていけたら、と思っています。日々の暮らしの中での思ったことや感じたこと、私のおすすめを紹介していきます。
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プロフィール
【クレッセント】
東京都内在住
趣味:読書、映画鑑賞、旅行
はまっていること:ピラティス、スピリチュアル、癒し系
性格:好奇心旺盛で、こうと決めたら突っ走る猪突猛進タイプ。
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