風を感じて・・・

映画「夏時間の庭」

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パリ郊外の邸宅に家族が久々に集まり誕生日を祝った夏の日、母エレーヌは自分が死んだら家も画家であった大叔父ポールの美術品コレクションもすべて処分するよう長男フレデリックに遺言する。一年後、母が急逝すると、愛着ある家や遺品を手放すことをためらうフレデリックだったが、それぞれアメリカと中国に生活の拠点を移している長女アドリエンヌと次男ジェレミーの事情や、莫大な相続税という現実問題に直面する。

オルセー美術館開館20周年記念として、全面協力の下製作された作品。
自分が死んだ後の子どもたちへの負担を考え、生前から準備を進めていた母エレーヌの気持ちがやるせない。時の流れの中で、避けることのできない変化と別離。この映画で私たちは、ひとつの家族と共にあった日常が、やむにやまれずひとつ、またひとつと解体されていく様子を見ることとなる。
すべての美術品は展示物である前に、かつて誰かの日常と共にあったのであり、所有者の喜びや悲しみを染み込ませて人々へ受け継がれていく。
ラストシーン屋敷を手放す前に、孫娘が友だちを呼んでパーティーを開く。そこには昔のような家族で過ごした穏やかな時間はなく、若者たちによる騒々しい時間だけが横たわっているように見えるが、彼女には昔そこに確かにあった思い出がよみがえり、美術品などよりもっと大事なものが世代を超えて確実に手渡されたことを知り未来に向かって希望があって安心するのである。

監督はこの作品に登場する美術品たちも配役として選び抜いて登場させており、見る価値ありではあるが、そこにある日用品や住空間、そして風景こそが大事な役を担っていると思う。
by crescent28 | 2009-07-16 23:18 | 映画・DVD
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真帆片帆、どんな状況でも風をしっかりと感じて、毎日を前向きに生きていけたら、と思っています。日々の暮らしの中での思ったことや感じたこと、私のおすすめを紹介していきます。
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プロフィール
【クレッセント】
東京都内在住
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性格:好奇心旺盛で、こうと決めたら突っ走る猪突猛進タイプ。
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